2011年
9月
29日
木
9.11は世界最大のアートだ。
9.11は世界最大のアートだ。
その日は良く晴れたおだやかな朝だった。青空の中から現われた銀色の翼が2機、巨大なツインタワービルに消え入っていく。黒煙をなびかせて悄然と立ち尽くす巨人。しばらくすると、それは膝を折るようにして瞬きの間に倒壊した。跡形もなく、まるで夢であったかのような光景。
これは今世紀最大のアートだ。最大の効果を発揮したインスタレーションだ。
9.11のドキュメントは誰しも想像しなかった出来事だ。
世界中の人々の心を震わせ、世界の歴史を替えた、この光景はアート以外になんであろうか。飛行機のビルへ突入時の赤い閃光、瞬時に目の前から消え去るビル、もうもうたる粉塵の中で逃げ惑う人の引きつる顔が未だ忘れられない。遠く海外の地で、平穏な日常で感じるぼくらですら、この感動におののくのだから、この悲劇は、現地でいた人やその犠牲者やその家族、彼らの運命を易々と変えたにちがいない。
ドイツの作曲家、シュトックハウゼンが発した「9.11は世界最大のアートだ」(2007/9/14)を擁護する。彼が、涙ながらに、人智が創造する破壊のアートを決して許せないと言ったことを思い出して欲しい。
そう、これは、世界で最も忌まわしく,身の毛のよだつ恐ろしいアートだった。
鉢呂元大臣の「死の町」発言。正解ではないか。何故ひるむか。