2011年
8月
16日
火
手描きのモノトーンパースについて
手描きのモノトーンパースは簡単なようで難しい。
一般的には白黒写真のようなもので,水彩画像を,グレートーンに変換したり,彩度を全く0度にすれば,モノトーンンパースが出来上がる。
しかし、その画像は何となくピリッとせずに、だるーい雰囲気の印象である。
インパクトのあるモノトーンパースはそれ独自の描き方でで仕上げられている。
モノトーンを描く上で、外装色,ガラス窓,アスファルト,植栽,屋根等の色味がどの程度の明度(グレー度)か知る必要があるが、それを忠実に実行すると、前例のようなだるーい画像になる。
例えば,樹木に囲われるウッドハウスの別荘を描くときに、樹木のグリーンとハウスのウオールナット色の明度差はあまりないことが多い。その知識のままで、表現すれば、樹木もハウスもどちらも同じようなグレー色になって、絵にならないことがわかるだろう。白黒の写真映像は精緻なディテールの表現で、それを補っているが、手描きのパースに,一枚一枚の葉っぱの描写やウッドの自然な表情を表すことは難しい。だから,モノトーンパースは色味の明度(グレー度)より、隣り合わせにあるオブジェとのコントラストを考えながら描くのが正解だ。それぞれのオブジェのイメージの特徴を捉え,シンプルに、力強く表現することを心がけて。
ある意味では、モノトーンは自由度が大きいと言える。色を無視して描けるのだから。
白黒のハイライトでなす鮮やかなコントラストの表現はモノトーンパースの醍醐味である。