プロフィール
思いを伝えるパース
最近は手描きの水彩風なバースが流行です。建築パースは写真に見紛うような精緻な3Dパースが一般的になりましたから、かえってアナログ的なパースが新鮮に映るのかもしれません。私は毎日のように、パースを仕事として描いてますので、そのエッセンスが皆様にお伝えできればいいなと思い、このブログを作りました。
パースはデータで構築する正確なものより、アバウトでカンで描くもの方が楽しく見栄えもいいものです。…詳しい理由は別のブログ、パース考(http://pers.exblog.jp/)で述べますが。
カンで描くパースの最大の特徴は、先ず、最初にイメージありきです。
筆やペンを取る前に、頭の中で既に、完成画のイメージが描かれていることです。
手描きパースの制作過程とは、その理想のイメージをなぞるようにして描出していくことです。
データで構成される3Dパースには、手描きのような自由度はありません。そのため、正確無比な3Dパースはクールで無表情な仕上がりになりがちです。
手描きがどことなく暖かみのある印象になるのは、きわめて作意的に作者の気持ちが込められるからです。
自分好みのパースを1点紹介します。 これは某リス園の改装工事のプレゼンパースです。
遊具の特徴は伝えなければなりませんが、一番大事なことは雰囲気です。子供たちがリスと触れ合う楽しい風景です。遊具の施設だけの風景であれば、索漠とした、なんとも淋しい風景になったかも知れませんが。
嬉々とした子供たちはじっとしてません、お父さんやお母さんが心配する程、あっちこっち 飛び回ってます…。木立抜ける風のざわめき、華やぐ花、歓声、作者はそんなドラマをパースで伝えたいのです。
映画ドラマのクライマックシーンのワンカットのようなもの、が私の理想のパースです。